持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

ボストン帰還雑感

 嵐のような日本での旅程を終えて、ボストンに帰ってきて一週間弱。下手に昼寝をしているせいかまだ時差ぼけがとれない中、複雑な思いの中、心が揺れています。
 多分、日本で数多くの人に会いすぎて、そいつらの力とかオーラの津波にやられて帰ってきたせいだと思います。いつも、新しい人や久しぶりの人に会いすぎるとこういう心境になり、いつも躁なことで悪名高い自分のテンションもしばらく欝になってしまうという現象が発生するのです。そしていつもは自分の中でなんとか解決するのですが、今回ばかりは自分の進路の問題と相まって、いろいろな人と相談している次第です。
 「なぜこんなところにいるのか」。結局のところ、この問いに戻ってくるのかもしれない。日本で進路が決まって行くみんなを見てきて、自分の選択と境遇を疑問に思ってしまう。こっちに来て良かったのか。最後は日本で働きたいと思ってるならずっと日本にいれば良かったのではないか。卒業して何年か経たないと答えが出ないばっかりに、この問いかけは重すぎます。
 去年、こっちに来たばっかりのときは良かった。不安もあったが希望も大きく、すべてが新しくて楽しかった。けれど今回は違っていて、routine workの螺旋のなかに戻ってきただけのような気がしてならない。おそらくは、夏休みが終わってしまう憂鬱感のせいでネガティブに物事を見ているだけなのだろうけれど、ブルーだ。
 そして、進路の問題があります。アメリカの理系大学院の制度で、外国人でも学位取得後は2年半だけアメリカの会社などで働けるというOptional Practical Training(通称OPT)があります。グリーンカードを取ることが難しい今、アメリカで働いてみたい学生に取っては非常にありがたい制度ですね。けれど、それなりの制限もある。これからいろいろと指導教官や留学生課と話して調べていくけれど、大変な部分も多いはずだ。さらに、その期間後に日本に帰ろうとする場合、どういう感じになるのか。もはやまったく分からない。
 結局これも、「選択肢が多すぎてどうしよう」という贅沢な悩みであって、およそ共感の得られるものでもないけれど、相談できる人やアドバイスをもらえる人が数少ないだけに、先が非常に見えにくいのです。


 珍しくどんよりした内容をここに書いてしまいましたが、よほどのことと思って、見守ってくださいまし。次回からは明るい内容で参ります。