持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

日本は月に人を送るのか

 政府が、2025-30年頃に月の有人探査を計画している、らしい(NIKKEI.NET, 関連リンク参照)。

政府の宇宙開発戦略本部は6日、今後の宇宙政策を検討する専門家会合で、将来の有人宇宙開発計画の素案を示した。当面は月に重点を置き、2020年ごろにロボット探査を実施したうえで、25―30年ごろに本格的な有人月面探査に移行するとしている。有人月面探査は研究機関が検討しているが、政府レベルでの構想は初めて。

 このニュースを読んだとき、初めは喜んだ。日本もやる気になったか、と。けれど「何故、月?」という疑問があるまま、学科の人たちにニュースのリンクを張ったメールを投げた。するとやはり思ったとおり芳しくない模様。科学ジャーナリスト松浦晋也氏のブログを紹介された。二重の引用となるため直接の引用は避けるが、つまり
「とりあえずNASAと同じことをやっておこう」
と思ったそうだ。正直、「またかよ」と嘆息せずにはいられない。これが真意でなかったにしても、そう汲み取られるような回答をする時点で、意気消沈である。
 確固たる理由と意志があって月に行くなら、もう喜んで支持するし、携われたらいかに楽しいかと思う。いや、むしろ理由すらいらなくて、「夢がある」「面白い」「日本しかできない」(最後のは大事)くらいで良い。でも、この様子からは意志があまり感じられない。
 小惑星イトカワを探査し、数々の問題に見舞われながらもがんばって地球に戻ろうとしている「はやぶさ」を皆さんは知っているだろうか。もし知らなかったら、残念だし、メディアなのか関わっている人たちなのか、誰だかは分からないけれどもっと周知していかなければいけないと思うけれど、日本の宇宙探査でここ最近一番ワクワクしたミッションだ。あのときは、「やっぱ宇宙おもしれえ!」と感じたし日本も捨てたもんじゃないと思ったものだが、いばらの道が待っているようだ。いや、自分から泥沼に足を踏み入れて行っているような。
 しかし、世の全員が見捨てればコロンブスのアメリカ発見もなかった。コロンブスとは行かなくても、あの船の乗組員が味わったであろう喜びは噛み締めたい。いままで会った、この業界のエンジニアはみんなアツいのに、何故かアウトプットだけはよろしくない...。
 暖かく、かつ、あらぬ方向に突き進まないようにみなさんに見守っていただきたい。
 こんな折、若田宇宙飛行士がISSに向けて3月11日21:20に、Discovery打ち上げ。残り少ないスペースシャトルの打ち上げ、成功を祈ります。