【2019.01.05 追記】
以下の環境で再び色のキャリブレーションを行いました。
MacBook Proの内蔵Retinaディスプレイ及び外部接続のEV2450ともに、感覚的に色温度がやや高め(温かめ)の結果になった印象です。その結果、当然ながら印刷結果はやや冷たい。印刷結果の冷たさについては画面と横並びにして比較しないと気づかないほどなので、このままでも良しとしてよいレベルではあります。
対策が分かりましたら記事を更新します。
現像ソフト | Adobe Lightroom Classic CC |
PC(Mac)本体 | MacBookPro14,1 (13-inch, 2017, Two Thunderbolt 3 ports)) |
OS | Mac OS 10.14.2 Mojave |
内蔵モニタ | Built-In Retina LCD |
外部モニタ | EIZO FlexScan EV2450 |
モニタキャリブレーションツール | X-Rite i1 Display Pro |
プリンター | Epson EP-30VA |
プリント用紙 | Epson 写真用紙 クリスピア |
結果 | モニタの色温度が高めに出ている印象 |
デジタルカメラでRAWモードで写真を撮影し、パソコン/Mac 上の現像ソフトで現像し、家で印刷する。「写真を趣味にしてます」と言えるほど写真を撮る目的で出かけるということはないけれど、旅行の写真や家族の写真をきれいに撮影して印刷して残したい。そんな人向けの記事です。
ベストな方法ではないことが分かったうえで、同じような境遇の人に少しでも助けになればと思って記事にしました。
お金をかけないでより良い方法が見つかったら、更新・追記します。
目次
はじめに:環境、全体の流れ
モニタ表示どおりに印刷することは難しい
デジタルカメラで撮った写真を自宅でプリント(印刷)するとき、モニターに表示されているとおりに印刷することはとても難しいです。かと言ってカメラのキタムラなどで印刷してもらっても、イメージどおりにできない場合が多いです。
自宅で印刷するデメリット(設備費用、手間、印刷コスト)を十分に理解したうえで、それでも自宅で印刷したい。そんな場合に重要となるのがモニターとプリンターの色校正(キャリブレーション)です。私の設備環境で「まあ、これなら良いでしょう!」となった調整結果が誰かの助けになればと思い、記します。
この結果を得るまでウェブをさまよい、結構な時間がかかりました。さまよったからこそ知識が得られたという一面もあります。勉強とは、大抵そういうものですね。
作業環境
現像ソフト | Adobe Lightroom CC (2015) |
PC(Mac)本体 | Mac mini (Late 2014) |
OS | Mac OS 10.11.6 El Capitan |
モニタ | EIZO FlexScan EV2450 |
モニタキャリブレーションツール | X-Rite i1 Display Pro |
プリンター | Epson PM-A890 |
プリント用紙 | Epson 写真用紙 <光沢> |
PC/Mac, OS, プリンター, 用紙は他のものでもやり方は変わらないはずですが、現像ソフトは Lightroom に特化した記事になっています。Lightroomは高価なのですが、現像ソフトという枠を越えた写真管理環境として、もはや私は手放せません。
モニタキャリブレーションツールは、今回意気込んで買いました。「ケチってColor Munki にすると後悔する。ちゃんとやりたいならお金を出して i1 Display Pro にせよ」という意見・レビューを数多く読みましたので、i1 Display Pro にしました。
並行輸入品で購入しましたが、いまのところ問題はありません。
X-Rite 日本語対応版 X-rite i1 DISPLAY PRO 『並行輸入品』
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プリンタキャリブレーションツールは、その必要性を初め分かっていなかったため買いませんでした。ここの知識不足ゆえに、苦労しました。予算に余裕がある人は購入すると良いと思いますが、その場合この記事は無用です。
キャリブレーションの全体の流れ
- モニターの表示色 ≒ 画像データが数値として持っている色 ... ここはキャリブレーションツールにやってもらう
- プリンタの印刷色 ≒ 画像データが数値として持っている色 ... ここはLightroom の設定をいじりながら手動で調整する
というやり方です。
「真っ直ぐに見えないメガネをした状態で、真っ直ぐに飛んでいかない弓矢で的を射る」ことに譬えるなら、「メガネはほぼ真っ直ぐに見えるように調整した状態で、弓矢の曲がりグセを見ながら的に当たるように矢を放つ方向を調整する」ということになるでしょうか。弓矢を調整するのはお金がかかるので、身体の向きを変えるなどの工夫をするという苦肉の策です。
EPSONもカラーマッチングの説明ページを用意していますが、具体的に何をやれば良いのかは教えてくれません。
www.epson.jp
モニタのキャリブレーション
X-RIte i1 Display Pro 本体(センサ)とツールの使い方は、いろいろな方が丁寧に書かれているので検索してみてください。私が参考にしたのは以下の記事です。
プリンタのカラーマネジメントを指定する・調整する
私がつまずいたのはここです。
モニタのキャリブレーション結果として、色調整プロファイル (Mac の場合は .icc, Windows は .icm?) データが生成されます。てっきりこのプロファイルをプリンタの調整に使えば良いと思っていました。
これは先程の例で言えば、メガネの調整図面で弓矢を調整しようとしていたようなものです。モニタの癖とプリンタの癖は違うのです。
しかし、プリンタキャリブレーションツールは持っていません。
試行錯誤の結果、「まあ良いでしょう」という結果を得たのは次の方法です。
プリンタのカラーマネジメントプロファイルはLightroomに任せる
- プリントモジュール (Print)
- プリントジョブパネル (Print Job)
- カラーマネジメント (Color Management)
- プロファイル (Profile)
- カラーマネジメント (Color Management)
- プリントジョブパネル (Print Job)
と進み、プルダウンメニューから適切なプロファイルを選びます。
各プリンタ対用紙で適切なプロファイルが定義されているはずなので、これまたWebで調べてみてください。EPSONだと以下ですが、これまた公式にまとまったページが無いようです。
プロファイル名 | 用紙 |
---|---|
PMAT | フォトマット紙 |
PGPP | 写真用紙<光沢> |
SF | スーパーファイン紙 |
UPGP | 写真用紙クリスピア<高光沢> |
ここで、プリンター本体のカラーマネジメントをオフにすることを忘れずに。カラーマッチングは、Mac / Lightroom の組み合わせで選択できません(ここも、正しいのか否か悩んでしまうところの一つでした)。
オプション:プリント調整で、明るさとコントラストを調整する
一度試し刷りしてからで良いですが、明るさ (Brightness)、コントラスト (Contrast) がイメージどおりにならない場合は、プリント調整 (Print Adjustment) で調整してみます(下図、既出の図と同じ)。
どれだけ変わるのか、振り切り一杯まで設定してみていないから分かりませんが、何かしら変化は見えます。
1,2回調整する
印刷、微調整、を1, 2回やれば、「まあ良いでしょう」というレベルに達すると思います。
反対に、微調整を繰り返しても「完璧!素晴らしい!」という一致には達しないと思います。このやり方には限界があります。
私が実践したことで、伝えられるものがあるとすれば
- 色の種類が多く、明暗がはっきりしていて、人が写っている写真を選ぶ
- L版など小さい用紙で試し、インク代を節約する
- あせらずにじっくり時間をとる
です。
さまよった理由
結果として、得られた手順はそんなに難しいものではありません。しかし、ウェブ上で情報がいろんなところに散らばっていることと、自分と全く同じ状況・環境にいる場合がなかったためにとても迷いました。さまよったポイントは主に以下です。
最後に:自宅でプリントして、すぐに家族で見る楽しみを
自宅でプリントする最大の楽しみは、すぐに家族で写真を見て楽しめることです。iPadで見るのが我が家の「普通」になりつつありますが、やはり印刷した写真を入れたアルバムのほうが手にとって良く見ます。そして、印刷することが最大の「バックアップ」です(と言うより、それが本物です)。
どうぞ写真をもっと楽しんでください。
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