持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

Mac OS ファイルパスの表示・コピーのキーボードショートカット

Mac OS で、ファイル・フォルダのパスをクリップボードにコピーするショートカットは以下です。

  • ⌘(command)+option+C

コピー結果はバックスラッシュで区切られた形式です。例えば

  • /Users/covacova/Pictures/Camera Roll

このフォーマットは、正にパスとして使用する場合は最適ですが、視覚的に場所を認識するには文字が詰まっていて少しわかりにくいと感じます。

視覚的に分かり易いのは、

  • ⌘(command)+I(アイ)

のショートカットで情報 (info) ウィンドウをポップアップさせたときに見える場所の書き方です。

  • Macintosh HD⁩ ▸ ⁨Users⁩ ▸ ⁨covacova ▸ ⁨Pictures⁩

こいつの欠点(場合によっては利点)は、そのファイル・フォルダ名は示されない点です。格納されているディレクトリ (つまり、一つ上位のフォルダ) が表示されます。

私は用途に応じて使い分けています。

手足口病闘病記 2019年夏 (10年に一度の大流行)

2019年7月、手足口病にかかりました。大人がかかると重症化しやすいという例にたがわない形でした。
www3.nhk.or.jp
ここまでの痛さと辛さだとは知るよしもありませんでした。闘病中、他の方の苦しんだ記録が「ここまでひどいのは自分だけではないんだ」という励みになったので、私も記録を残すことにします。
症状の重さ、場所は人と場合によるようです。私の場合、

  • 初期の熱の高さ
  • 発疹は口と喉に集中

という特徴がありました。

不運にもかかってしまった方へ、「これくらいの日数が経てば治るんだ」という見通しが励みになることを祈って、ここに記します。

7/8(月)まで

長男:熱、次男:手足口病、妻:手足口病 (軽め、3日ほどで治る)
という状態であった。おそらく長男も手足口病のウイルスで熱を出し、軽めだったので発疹が目立たなかったのだと考えられる。

7/9(火)

早朝、朝ご飯前に仕事をするようにしているが、若干ふわふわした気分で机に向かう。
出勤準備中から度合いがひどくなり、家の最寄り駅に着いたところで「今日は家で仕事しよう」と引き返す。家に帰って体温を測ると38度超え。すぐさま布団に入って寝る。
夜、熱は悪化して久しぶりの39.5度。ものすごくつらい。熱いし、頭痛(特にまぶたの上らへん)がひどい。アイスノンで頭を冷やしつつ、残っていた解熱剤(カロナール)を飲んでなんとか夜を凌ぐ。

7/10(水)

つらさの中でも数時間は寝られたらしく、熱は37度台まで下がっている。しかし喉がものすごく痛い。腫れているのが見なくとも分かる。
かかりつけの内科で診てもらう。喉が真っ赤に腫れているという。しかし、このとき発疹はまだない。妻も自分も、手足口病でないわけがないと思ってはいた。
漢方、炎症を抑える薬、OS1を購入して自宅療養。

7/11(木)

手にぶつぶつの発疹が発症。これはそこまで痛くない。直接ブツブツにお玉の柄があたるなどのことがない限り、気にしなければなんともない。
一方、夜にかけて口の中にもぶつぶつ発症。強烈に痛い。とくに喉の痛みが深刻・地獄である。つばも飲めない、飲み込もうとすると鋭い激痛が走る。当然ながら水も飲むのも同じである。ほんとうに地獄のような状態である。何で喉に出来るんだ、と怒りを差し向ける先がなくつらい。
ロキソニンを8時間間隔で飲む。緩和されている気がするときもあれば、まったく変わらないと感じるときもある。だが飲まないわけにはいかない。わずかな助けにもすがる思いだ。

7/12(金)

内科へ行く。手足口病と診断。腫れ上がった赤い喉に口内炎が10個以上できていて、それが激痛の原因である。
痛み止めだけ追加してもらう。手足口病のウイルスに対する特効薬はないため、自力で治すしかない。
口の発疹の状態によって、食べやすい(といっても、これでも激痛が走る)ものが変わるのだが、なんとか激痛をこらえて食べられるのは

  • ぬるいおかゆ
  • ぶどうゼリー
    • まちがっても柑橘類のゼリーは買わないように
  • ウイダー改め森永 in ゼリーのマスカット味
    • 少ししみるが、水で流し飲めば耐えられる
    • ビタミンのグレープフルーツ味は非常にしみるのでやめるべし
  • カロリーメイトゼリーのアップル味
    • 少ししみるが水で流せば耐えられる)
7/13(土)、(日)

痛み続く。ほとんど良くならない。
痛みもつらいが、痛みが長く続くことにより精神的なストレスが大きい。いつになったら治るのだろうかという、先が見えない不安。
口の痛みが激しくなった日を含めて6日目でよくなるのだ、とこのとき分かっていたら精神的には楽だったと思う。

7/14(月)祝日

少しだけよくなる。
眠ることは可能。横になったり、ときどき座ったりしてひたすらドラマの動画を視ていた。生産的とは言えないが、それくらいにことしかできない精神状態である。

7/15(火)

もう少しだけよくなる。
自宅で、誰とも喋ることなく仕事をすることが出来る程度には回復。
ちょびちょびと水を飲みながら、淡々と文字を読む・打つ・マウスを動かすことはできるようになる。

7/16(水)

おかゆ以外のものが食べられるようになる。これはとても幸せなことだ。
しかし体力は衰えているので、大事をとってもう一日だけ自宅で仕事をすることにする。
ウェブ会議に参加し少し喋ることはできるものの、やはり喋るのはけっこうつらい。小声であっても15分間通常の会話ペースで話をしていると、喉の痛みがひどくなってくるので、やめた。

7/17(木)

9日ぶりに電車に乗って職場に向かう。通勤途中は特に喋るわけでもないので、予想していたほどの辛さはない。
職場につくと、当然のことながらいろんな人に話しかけられるし会議にも出る。議論が白熱すると喋らないわけにはいかず、病み上がりであることを半ば忘れて話してしまう。結果、喉のまわりと頭がへとへとに疲弊してしまい、気分が悪くなる。

7/18(金)

喉の口内炎はほとんど消失する一方で、頬の裏や唇周りの口内炎はまだしぶとく残っている。塩気の食べ物がそこらに当たると痛い。
前日の疲弊のせいで在宅業務。喋りすぎを反省し、Web会議でもゆっくり話すようにする。前日よりは声がスムーズに出てくる。

7/19(土)

喉の痛みはほとんどない。ほとんどのものが食べられて、幸せである。家族とも話すことが出来る。ほかの口内炎の痛みも和らいできていて、きっとぶり返すことなく消えていくだろう。
長い道のりであった。今回の手足口病記録はここで止めることにする。

猛暑の室外と冷房が寒い室内の夏を快適に過ごす:上半身はモンベルウィックロンパーカで解決したが下半身が未解決

日本の夏は室外は猛暑である一方、室内・電車内が冷房で寒い。冷房の寒さに弱い私はこの対策が体調に直結するので必死です。
上半身については、半袖Tシャツを着たうえでモンベルのウィックロンクールパーカを常時持ち歩き、寒いと感じたらすぐに着る・寒いと分かっている場所に突入する前に着ることでほぼ解決しました。

webshop.montbell.jp

こいつには、

  • とても軽い、とても小さい (かばんに突っ込むことに何らストレスを感じない)
  • 肌触りがやさしい (化繊のゴワゴワ・ざらざらを感じない)
  • 暑くない

という、私が求める三拍子が完璧にそろっています。あえて文句を言うならば、使わないフードが付いている分重たいところですが、そこは目をつぶれます*1。皆さんどういう用途に使っているかは不明ですが、昨年夏にこの商品を知ったときには時すでに遅し、かっこいいグレーのものが品切れでした。今年は春先に段取りよく購入、とても快適に過ごしています。

未解決なのは、下半身です。上半身と同じく、半ズボン+臨時上着という風に解決したいところですが、さすがにこの用途に合うそういう商品は見当たりません。ユニクロの感動パンツがかなりいい線を行っていますが、きっちり目のデザインなのでラフなTシャツやスニーカーと合わせにくいです。ファッション性つまり見た目をどこまで譲れるのかが鍵かもしれません。

ユニクロ|感動パンツ|MEN(メンズ)|公式オンラインストア(通販サイト)

夏本番までに解決策を見出すべく、試行錯誤します。

*1:フードがなく、かつフルジップの商品は2019年6月現在ありません。

ウナギ、サンマの乱獲を憂えてばかりいないで、体系的知識を得たいと思った。『日本の水産資源管理』はデータと歴史背景を丁寧に記した良書

ウナギ稚魚の乱獲やサンマの漁獲高減少のニュースを見て、水産庁の体たらくを憂いてばかりいないで、実際この問題の本質はどういうところにあるのかの体系的知識を得たいと思いました。さすが錦糸町くまざわ書店である。このような私の要望にも応える本が平積みしてありました。

  • 『日本の水産資源管理』著・片野歩、阪口功(2019) 慶應義塾大学出版会

日本の水産資源管理:漁業衰退の真因と復活への道を探る

日本の水産資源管理:漁業衰退の真因と復活への道を探る

日本の水産資源管理の問題の一端を捉えているたとえです。

(リンゴが収穫できるのは<ブログ著者注>)農家がリンゴの収穫が減ったからといって、小さい実を根こそぎ採ったり、木そのものを切って売ったりすることがないからだ。まさかと思うかもしれないが、ニシンがほとんど消えてしまったのはりんごという金のなる木の「木」の部分にも手を出してしまったからにほかならない。
- 第2章 世界と日本の比較からわかる問題の本質 p.60

持続可能な漁業を成功させている、ノルウェーという水産資源大国を倣うべき例にとり、日本が今までどうしてきたか、今後どのようにしていくかを統計データをもとに丁寧に説明しています。くどいくらいに何度も異なる表現を使って著者が提唱するのは、

  • 科学的根拠に基づいて、漁業が持続可能となるように国別漁獲高を設定する
  • それを、漁船ごとに割り当てる(さらには漁船の大きさに応じて)

という方法です。獲ることのできる量が決まっているから、その中で最も稼ぎを出すために、質が良く大きい魚を取得するようにみんな動くというわけです*1

とはいえ、サンマのように、既に競争が激化してしまっているところに後から漁獲高を設定するのは非常に難しい。そこで、他の魚で実績を作り、その有用性を全員(国内・国外)で共有してから他の魚に広げていくという方法も提唱していました。この具体策には、妙に納得がいきました。無理が無さそうで実現性が高そうです。各国・各人ともに求めているのは、「たくさん魚を獲ること」ではなく「豊かな生活が持続的に出来ること」である、だから突破口ときっかけさえあればこのような管理は受け入れられるはずであると。

ノルウェーでは漁船も豪華で、船が寄港する港にも魚の加工業が盛んであり、子供達が漁業に携わりたいと思うような風景が広がっているそうです。後継者に悩む日本の漁業の風景からすれば、羨ましい限りだと思います。

魚を食べるという楽しみがなくなって欲しくないという気持ちが強く、何か出来ることはないかとこの本を手に取りました。感情だけに左右されないデータに基づいた知識をもつ人たちが増え、適切な世論を形成して政治・外交に影響を与えていくための一歩です。

*1:無論、これだけでうまく整うわけではありません。本文にはノルウェーなどの国が歩んできた茨の道も示してあります。

ショパンのスケルツォ3番は、リヒテルの忠実さが好きだ。アルゲリッチのショパンコンクール録音も素晴らしい

ショパンスケルツォ3番は自分が弾くにあたって、YouTubeにあがっている演奏をいろいろと比較しました。

いろいろ聴いたなかで、そのとき私が最も好きだったのはリヒテルの演奏です。
キラキラと降りてくるところがこの曲のミソであり最難関であるのですが、そのリズムが楽譜に忠実であろうとしながら、まったく力みを感じさせず、一音一音がすべてきれいに響いているのが、とても好きなのです。

www.youtube.com

アルゲリッチの演奏は、自分の持っているCDの録音での弾き方があまりに速すぎて好きでなかったのですが、ショパンコンクールの録音はよい。やり過ぎ感がない。改めて聴くととても良いです、これも好きになりました。

www.youtube.com

好き勝手言っておりますが、好き勝手言って微妙な違いを楽しむのがクラシック音楽の楽しみ方でもあります。