持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

浦島太郎

 GRE受験(語彙ぼろくそでした)ののち、助手のYさんと実験。というかYさんに実験の手順を教えてもらいつつ、試験機の動作確認。いまひとつガラス板があったまらず、
自分「おかしいですねえ。」
Yさん「おかしいねえ。」
 などと会話を交わしているうちに、なにやら不穏な空気に。


Yさん「おおおぉぉぉおお!?!?!?」


 なんと恒温層(というかヒーターなのか)からもくもくと出てくるあの白い、いや、ちょっと黄色いあやしげな煙はなんですかあっ。げほげほ、においが大変なことになっていますよっ。同じく実験室にいたKさんもあわてます。


Yさん「これはやばいやばいぞ」
自分「こ、このにおい明らかに人体に悪影響与えますよっ」
Kさん「とりあえず換気が必要ね、ドアあけましょう」
自分「は、はいっ」


 お、おお。
 都会の空気がこんなにも美味しいとは。
 Yさんは、ヒーターの中に充満しているであろう煙を出してしまうためにヒーターの扉を開けにダッシュ


 もわわわわわわっ。


Yさん「おおおおぉおおぉ!?」


 何の間違いか玉手箱を10個くらいもらってしまい、さらに誤って10個同時にあけてしまったような煙が立ち込めました。圧巻です。って喜んでる場合じゃないです。
 そこに先生登場(実験の確認にいらした)。しかもビール持ってるよ。先生、いくらお酒好きだからって昼間っからビールは、と思ったらがぶ飲みミルクコーヒーだった。まぎらわしいですよ。


先生「なんだこのにおいはっ!?」


 ごもっともです。
Yさん「ええと、おそらくですが、樹脂の硬化剤のせいだと思うんですが…」
先生「何をやってるんだ!」
 と、言葉は怒っているんだが、先生、明らかに笑ってますよ。
先生「それじゃあ今日は実験なんかやめて、キャッチボールしようか。」
 いいですね。って、さすがにこの状況放置はまずいですよ。
先生「しかしこのにおいはまずいね。君たち子供できなくなったちゃうよこれは」
Yさん&自分「それはやばいですね」


 結局そのタイヤのこげの匂いとマヨネーズこげの匂いと焼き芋の香りは足して3で割るのを忘れてしまったようなにおいは、7号館を充満させ、一大事。自分の実験はとりあえず電源だけ抜いてそそくさとバイトに向かってしまいました。すいません。


 ちょっとはしゃぎすぎました、火災報知機がなるかもしれない事態だったのに。まあみんな盛り上がっていたからいいということにします。


 気づけば実験まったく進みませんでした。