持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

二年間の雑感(1) --街

 ボストン生活も残すところ、2ヶ月半くらい、にしたい。となるとそろそろまとめを書き始めないと帰るまでに書き終わらないことに気付いた。くだらないことばかり書いてないで、「ボストンで勉強しよう」とか「ボストンで生活することになりました」という人に役立つようなことを書いておきたい所存です。
 第一弾は、『街』と題しまして、ボストン(Boston)およびケンブリッジ(Cambridge)の概要、印象を。

ちょうどいい大きさ


 ボストンとは言っているけれど、実際に自分の活動範囲はケンブリッジ(Cambridge)。チャールズ川(Charles River)を挟んだ川の向こう側がボストン。MIT(Massachusetts Institute of Technology, マサチューセッツ工科大学)とハーバード(Harvard University)はあるものの、特にこれと言った長所もないケンブリッジに住む日本人はひがんでボストンを「川向こう」と呼ぶ事がしばしば。
 ボストン市街地の人口は400万人程度らしいが、そんなことを言われても実感がわかないので、ざっくばらんな印象を言えば、「ちょうどいい大きさ」。人も、嫌なほどごみごみしていない。かと言って、寂しいくらい人がいないわけでもない。道路の両側に巨大なビルが建って陽の射す間もないNYマンハッタンとは異なり、いい感じに開けていて、たまに自転車で遊びに行くと、街を走り抜けるだけで爽快な気分になれる(極寒の冬をのぞく)。
 交通は通称「T(ティー)」と呼ばれる地下鉄がそこそこ張り巡らされているうえに、自転車さえあれば所謂ボストンの端から端まで難なく移動できる。本当に小さい街。はっきり言ってボストン最高の交通手段は自転車だ。ここで暮らすと零下15度になっても自転車で颯爽と走る体力が身に付く。

つまらなくなる

 娯楽は、そこそこある(『娯楽』編、作成します)。しかしながら、この街は「つまらなくなる」。つまらないわけではないのだが。これは日本人特有の感覚かもしれないが、少なくとも周りの知り合いは同意見の人が多い。かと言って、東京はそしたら面白いのか、と尋ねられると返答に困る。あえて言えば、日本は小さいので少し足を伸ばせば別の大きな街や観光地に行けるが、アメリカはでかすぎるのでそういう感覚がない。一方で航空券は日本の国内線よりも安いので割り切って飛行機を使えばアメリカという国自体は決してつまらなくはないと思う。ものすごく大雑把な意見だけれど。しかし学生である以上そう頻繁に休みはとれないし(特に給料もらっている場合)、何より貧乏だ。

川でもっている


 ケンブリッジにしても、ボストンにしても、これらの街はチャールズ川でもっている。川がなくて二つの街が本当に隣り合わせだったら、多分もっとしょうもない。Muddy Charlesと呼ばれるほど濁った川でも、夏はヨットやレガッタが通り、冬は凍るというこの川が街を支えているな。