持つべきものは妙なこだわり

執着もいずれ愛着に変わる

ローマ・バチカン市国(2) 2009.7.23-7.25

ナヴォーナ広場〜スペイン広場 Piazza Navona - Piazza di Spagna

 バチカンを去り、サンタンジェロ城を「なるほど」と感心するも中に入る時間はなく、サンタンジェロ橋を渡る。有名なナヴォーナ広場(Piazza Navona)に着いたときには暑さにうんざりし、腹も極限まで減って感動もそこそこだった。それでも広場にある三つの噴水はどれもすごく、特に四大河の噴水はスケールが違った。さて腹を満たそうと広場周辺のレストランのメニューを見てまわるが、当然ながら予算を大幅に越える値段であり、意気消沈。仕方がないので先を急ごう、とパンテオン(Pantheon)に向かう途中に救世主スーパーマーケット発見。なんて安いんだ。結局、飲むヨーグルトやフルーツやサンドイッチを買って、パンテオンの横に座って食べた。水1.5リットルのペットボトルも忘れない。あっという間に減っていくのだ。
 元気は7割型回復し、歴史というよりも古さを感じるパンテオンの中へ。真っ暗ななか、天井から差し込む光に照らされるラファエロらの墓には「おお、この中に」と感嘆の息がもれる。さて、そこからそうとおくないところにあるトレビの泉(Fontana di Trevi)は非常に奥まったところにあるのだが、予想していたよりもはるかにでかく、圧倒的。有名な観光名所はだいたい期待を裏切ると相場は決まっているが、この泉はなかなかにすごかった。観光客はたくさんいたけれど、肩越しにコインを投げている人は少なく、ああ例のごとく日本人だけがやるのか、と思いつつもしっかりやってきた。調べてみれば、1枚しか投げてこなかったので、「ローマに再び来ることができる」らしい(Wikipediaより)。たしかに、見逃したところが多すぎるのでローマにはまた行かなければならないな。3枚投げると恋人や夫婦が別れられるということだから面白い。泉の後はスペイン広場(Piazza di Spagna)に向かった。ローマの休日の白黒の映像から得る印象とはかなり違って、明るい広場と階段。きれいに保存するために今はジェラートを食べることを禁じているらしいが、弟と旅している自分には別にそれはどうでもよかった。広場に真ん中にある噴水で水浴びをする子供たちがかわいかったな。みんな暑さでうだっているのだ。

コロッセオ〜真実の口 Colosseo - Bocca della Verità

 メトロのSpagna駅から一気にColosseo駅へ。ローマの有名どころは期待を裏切らない。コロッセオ(Colosseo)とフォロ・ロマーノ(Foro Romano)の並びはその古さとスケールがすごすぎる。コロッセオは外見だけで十分すごさが伝わってくるので、時間があれば並んで入ろうと決めて、フォロ・ロマーノへ。時刻は4時過ぎだったが、太陽は色を変える気配もなく、雲は当然かのように一つもなく、死ぬほどに暑い。所々にある飲み水用噴水で、少しでも冷たい水を、とみんな並んではペットボトルにつめる。無料で回っている英語ガイドツアーにちょっとだけついて回り、なるほどその時代のものか、と付け焼き刃の知識を身につけた。遺跡にも記されている"SPQR"の文字列がローマの主権者を意味していて、いまのローマでも「ローマの人々」といった意味でマンホールやゴミ箱に書かれていることを知ってちょっと楽しくなった。
 当初の予定では翌日に行くことにしていた真実の口(Boca della Verità)だが、フォロ・ロマーノからそう遠くはなさそうだし、明日の朝早起きしてここまでやってくる気力があるか分からなかったので、奮起して今日のラストに組み入れることに。地図上ではまあ歩いて5、6分というところかな、と思っていたが、標識も人の流れも見つからないし、そもそもどんなところなのかが分からない。うろうろしながらおばちゃんに尋ねると、なんとか「左のほうに10分くらい」ということが英語とイタリア語まじりで理解できた。この炎天下で10分は相当しんどいが、ここでやめるわけにはいかず、歩きに歩いてようやく到着。こんなにへんぴで小さな教会にあるのか、というのが正直な印象。間違っても歩いてくる場所ではないな。日本人ツアーだと、三越デパートにあるレプリカですますことが多いのだとか。確かにそれでもいい気がする。
 もうここまで来ると本当に精根尽きていて、バスに乗って宿に直帰。しかし宿も暑い。晩ご飯も探す気力がなかったのでテルミニ(Termini)駅近くのマックですませた。クーラー万歳。結局、この初日のせいで翌日以降をふらふらで過ごすことになるのであった。