持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

普段の生活と自分の中にある動かしがたい「感じ」から、人と世の中を考える:『はじめての現象学』竹田青嗣

はじめての現象学

はじめての現象学

私にとって、まさに新しい考え方を提示してくれた本です。

小説を読むように読める哲学書を書こうと思ったとあとがきにあるとおり、平易な言葉で書かれています。フッサールハイデガーの考え方を中心として、竹田青嗣さん自身の考え方も展開します。哲学の知識はほとんど必要ありませんが、しっかりと理解し納得するにはそれなりの集中力と反復読書が必要でした。

この本の内容をまとめられるほど現象学竹田青嗣さんの考え方に及んでいるわけでは到底ありません。一つだけ紹介するとすれば、私自身がとても腑に落ちた、「〜〜すべきという理想像をかかげて人間を捉えようとするのではなく、私たち自身が生活の中で自然と感じていることや感じていることを基に考える」というやり方で哲学が展開されていくことです。

人、自分、世界を違う目で見ることができるようになる、素晴らしい本でした。何度も読むことになるでしょう。

新しい考え方 ★★★★★5
新しい知識体系 ★★★★★5
新しい文章技術 ☆☆☆☆☆0
新しいドキドキ ☆☆☆☆☆0

関連書籍

哲学とはなんだろうと興味をもった方には、以下の『哲学のモノサシ(西研・著)』『自分を知るための哲学入門(竹田青嗣・著)』を先に読まれる方がとっつきやすいと思います。

哲学のモノサシ

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自分を知るための哲学入門 (ちくま学芸文庫)

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