持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

『蒲生邸事件』宮部みゆき: タイムトラベルサスペンス

蒲生邸事件 (文春文庫)

蒲生邸事件 (文春文庫)

題名からは想像しないだろう、タイムトラベルサスペンス。単純にサスペンスとして面白いけれど、タイムトラベルでは"Back To The Future"を超える作品はないと思っている。それに、相変わらず宮部みゆきの作品は長い...。

『深夜特急』沢木耕太郎: ひとり旅の前と後に読んで違う味を楽しむ

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

深夜特急〈6〉南ヨーロッパ・ロンドン (新潮文庫)

全六巻。独り旅行者のバイブルだ。
 
高校生のときに1,2巻を読んでとまり、大学生のときに1,2,3,4巻を読んでまたとまり、この間3,4,5,6巻を読んで完結。バックパッカーを実際にしたあとだと沢木さんに言葉が妙に納得出来る。もちろん、反対するところもある。けれど、外国は「分からないということが分かる」、旅行者は「無責任」だからこそ楽しんでいられる、まさにそのとおり。

旅行に行っただけで、その国や人のことは分からない。旅行は、「すっごい楽しかった!」それだけでいいし、それ以上は何も語れない。

沢木さんも、この旅行記を書き終わったのは旅のあと17年。僕も急がず、旅行記を書き続けることにする。

『坊っちゃん』夏目漱石: 素直に生きられなくなった大人が読むから痛快

坊っちゃん (岩波文庫)

坊っちゃん (岩波文庫)

どまっすぐな「坊っちゃん」の吐く言葉が実に面白い。つい、にやっとしてしまうくらいだ。苦く駆け引きが必要な人間関係や経験する年齢になって読むと、こんなに面白い作品だったのだな。

『白痴』坂口安吾: 戦争未経験の私は理解できたとは言えない

白痴 (新潮文庫)

白痴 (新潮文庫)

戦争と戦後を経験していない我々の世代は、真には理解できない心理状態なのかもしれない。

『人間失格』太宰治: 主人公モテ過ぎです

人間失格 (角川文庫)

人間失格 (角川文庫)

読んだのは2009年11月頃だった。

とにかく主人公がモテすぎである。負のオーラをまとうものがそうなるのか。いつの世もイケメンに限るのか。