『坊っちゃん』夏目漱石: 素直に生きられなくなった大人が読むから痛快
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/05/01
- メディア: ペーパーバック
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どまっすぐな「坊っちゃん」の吐く言葉が実に面白い。つい、にやっとしてしまうくらいだ。苦く駆け引きが必要な人間関係や経験する年齢になって読むと、こんなに面白い作品だったのだな。
『白痴』坂口安吾: 戦争未経験の私は理解できたとは言えない
- 作者: 坂口安吾
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1949/01/03
- メディア: 文庫
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戦争と戦後を経験していない我々の世代は、真には理解できない心理状態なのかもしれない。
『人間失格』太宰治: 主人公モテ過ぎです
- 作者: 太宰治,梅佳代
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2007/06/23
- メディア: 文庫
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読んだのは2009年11月頃だった。
とにかく主人公がモテすぎである。負のオーラをまとうものがそうなるのか。いつの世もイケメンに限るのか。
レーゲンスブルク Regensburg 2009.8.1
少しだけチーズとハムがあって、いつもよりは満足な朝ごはんを食べたあと、必要な荷物だけ小さめのリュックに詰めて中央駅へと向かった。その日は、レーゲンスブルクに向かうことにしていた。
前日ガイドブックを眺めながら、ノイシュバンシュタイン城に行くかどうかかなり迷ったのだが、日帰りで行くのはなかなかハードであることが分かった。あとから考えると一泊しても十分だったのだが、ミュンヘンの宿に二泊分払ってしまったので、当時その選択肢は頭によぎりさえしなかった。他に良さそうな場所はないかと地図をみたところ、レーゲンスブルクが世界遺産に登録されていて美しい街だということなので、そこに行ってみることにしたのだった。
路線図をみて、直行便がないと判断したので、ローカル線を乗り継いでその古い街へと向かった。実に天気がよくて、窓を開けると気持ち良い風が入ってくる。日本の電車と違って客車にはモーターがついていないので、停車と発車が本当に静かで妙に心地いい。発車のときに、前の車両によいしょと引っ張られる感じがするのが、なんだか面白かった。
ドナウ川に臨んだ街はきれいで、散歩が楽しかった。大聖堂 Domも、オルガンの新設工事でうるさかったけれど、外から見た姿はなかなかのものだ。でも、ここもまた世界遺産ということで非常に観光地化されていて、生活感というものがあまり感じられない。たぶん、地元の人達は旧市街ではなく新市街か、もうちょっと郊外に住んでいるんだろう。そんな自分も結局ファーストフードで昼ごはんを済ましているのだから、言動不一致このうえないのだが。結局、胸踊るようなワクワク感はあまり得られず、適当にミュンヘンに戻ることにした。
すると、なんとミュンヘン行きとかかれた電車があるではないか。地図でみると、直通がないのに!とよく見てみると、非常に分かりにくい形で線がかかれている。だまされた、と思ったけれど、だまされたからこそ行きの電車ののどかさを楽しめたのだから、結果オーライというところだ。
ミュンヘン 2009.7.31 (2)
街を歩いていると、見慣れたリンゴのマークが目に入った。もしかすると、と思い入ってみると、やはり無料でインターネットが使える!zとyの位置が入れ替わったドイツ仕様のキーボードに違和感を感じつつも勝手に日本語環境を使えるようにして、久々の高速ネット環境にありがたみを感じずにはいられなかった。真っ先に家族や友達にメールで連絡をとって、facebookに"in Munich!"と記した。あまり冷やかしを長引かせるのも心苦しかったのであまり有用な情報は得られなかったが、生きていることが伝えられたことで十分だった。
地下鉄に乗って、郊外にあるユースホステルへと向かった。なぜそこを選んだかは忘れてしまったが、ガイドブックに載っていて比較的安くて朝ごはんがついているところにした、自分が考えるのはそんなところだろう。地下鉄の最寄り駅から歩いて宿に向かう途中、道の名前などを確認してきょろきょろしていると、自転車とぶつかりそうになった。スピードを緩めずに近づいてきて、罵声をあげて通り過ぎていった。どうやら、自転車用の通路に立っていたようだ。でも、垣根もないし暗くて気づかないし、何よりも背中にも腹にもリュックを背負ったこの姿はどうみてもアジア人旅行者だ。名勝を傷つけたりする心ない旅行者ならまだしも、このくらいのことは大目にみてくれたっていいのではないか。
ボストンでも東京でもそうだが、どうも自転車に乗った人間(特に、高そうな自転車のライダー)は、心が狭い気がする。いや、自転車に限らず最近はよく、些細なことで腹を立てて、しなくてよい喧嘩をしたりや怒号をあげたりする人が目に付く。そんなことにエネルギーを使う余裕があるなら、もっと違うことに使えばいいのに、とつくづく感じる。ちょっとこらえて、さっさと家に帰って好きなことをやるのが一番だ。
そんなことを思いながら、早いうちから眠りについた。