持つべきものは妙なこだわり

執着はいずれ愛着に変わるのである

ベートーベン「春のソナタ」「クロイツェルソナタ」を聴くなら若き日のパールマンとアシュケナージ

ベートーベンのバイオリンソナタ*1知名度が高いのは5番「春のソナタ」と9番「クロイツェルソナタ」。お聴きになるのなら、若き日のパールマンアシュケナージが演奏するこの盤 (decca) をおすすめします。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ<春><クロイツェル>

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ<春><クロイツェル>

若い。力強さがある。40年以上前?とは思えないほど録音の質が素晴らしい。

特に私は、春のソナタの1楽章に感激しました (もちろんクロイツェルも素晴らしいです)。春のソナタ1楽章は、そうとは知らなくとも聴いたことはあるであろう、イメージのうえでは優しい曲です。ですが、この二人による演奏は、優しさよりも力強さが伝わってきます。遠慮なく音を響かせているという感じ。そして、いやらしい強さではない。

BGMとしてではなく、じっくり耳を傾けて聴いていただきたい名盤です。

まだ聴いていないがこれも良いらしい

若きルービンシュタインシェリングアルゲリッチクレーメルの録音も鉄板であるとのこと。これらも聴いて、感想をお伝えします。

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、第9番「クロイツェル」

ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」、第9番「クロイツェル」

*1:バイオリンソナタという名前だが、バイオリンとピアノは同等に扱われているので duo / duet と思っていただいた方が誤解がないと思います

Magic Trackpad 2 はたいへん良い、それでもやはりマウスは必要

オフィスおよび自宅ともに、自分の机にいるときは以下の環境で仕事をしていました。

  • MacBook Pro (自前は 2017 Touch Bar なし、職場は 2018 Touch Bar あり)
  • 外部ディスプレイ接続
  • 外部メカニカルキーボード:HHKB Professional 2
  • マウス:Logicool G304 (ワイヤレスゲーミングマウス)

G304 (2019年購入 *1 ) はこんなマウスです。

  • ○ワイヤレスのゲーミングマウスながら値段が手頃
  • ○重さがちょうどよい
  • Bluetooth でない専用送受信機 (USB type A) のため接続不安定なことが今までない
  • ○ボタンに Mission Control, Desktop切り替えを割り当てることでトラックパッドジェスチャーなしでもそれなりに何とかなる
  • ×クリック音がうるさい

しかし、以下の操作はどうしてもトラックパッドが必要で、そのときだけMacBook本体のトラックパッドまで手を伸ばして操作していたのですが、やりにくいし熱いし快適にはほど遠い。1万2千円という値段にずいぶんと悩んだものの、大枚はたいて Magic Trackpad 2 を購入しました。

  • 素早い横スクロール
  • 高速な縦スクロール
  • 拡大・縮小のピンチ
  • 素早い Mission control, desktop 切り替え

Apple Magic Trackpad 2 - シルバー

Apple Magic Trackpad 2 - シルバー

買って損はなく、とても快適になりました。MacBook Proトラックパッド付属しているのだから、万人にお勧めするものではありませんが、外部ディスプレイ・外部キーボードを使っている人にはあって損をしないデバイスです。

しかし、図の描画などマウスに軍配が上がる操作はあります。結局、トラックパッドとマウスを横に並べて操作するというやり方が私にとってはベストのようです。トラックパッドがデカくて、それはいいのですが、マウスが若干遠いです。
まだまだ試行錯誤を繰り返して改善していこうと思います。

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左からHHKB, Magic Trackpad 2, G304

関連:一つ前に使っていたマウス G300s も良いです

1つ前に使っていたG300sは長らく愛用していた良いマウスでしたが、現在の仕事環境に合わないため引退していただきました。

  • ○ボタンは豊富、しかも設定を複数セット持たせて切り替えが可能
    • PageUp, PageDownを割り当てるのがおすすめ
  • ○有線なので接続断の不安がまったくない
  • ×軽すぎる、持っていないと有線ワイヤーの復元力でマウスが動く
  • ×ハブなどのUSBバスパワーで動かない場合がある

*1:Logicool のマウスは製造年によってクリック感などが異なるという情報を目にし、明らかな購入年のみ記載しておきました

登戸での殺傷事件。マクロで社会的・中長期的な活動とともに、ミクロな襲撃対策を忘れない

川崎、登戸で児童らが襲撃を受ける、恐ろしい事件がありました。
www3.nhk.or.jp

これに対し「死にたいなら勝手に死ね」という、ややもするととってしまう姿勢・考え方そのものがこのような犯罪を生んでいるのだという記事を読み、自分は反射的にそう思ったりしていなかったかと問うたとき、正直なところ自信はもてません。追い詰めるのではなく、救いの手を延べる社会を築いていくための努力を、思考停止することなく自分の身近からやっていきます。社会的な地位・権力を持たない一国民としては、小さく局所的に声を上げ続けるのが遠いようで近道なのだと思います。

news.yahoo.co.jp

一方、このような場面に出くわさないとも限りません。そういう場合は現場での瞬時の対応が求められます。この瞬時の対応は、それまでにどれだけリアリティのあるシミュレーションを頭の中及び体の動きとして実施してきたかがものを言うのだと確信しています。

刃物を持った相手には、たとえば公共交通機関内であれば座面が盾として有効であるのだと知ったことが、記憶に新しいです。2018年6月ごろの、新幹線内での襲撃事件です。
www.tokyo-np.co.jp

自分一人のときはどうか。リュックを前に抱えることで致命傷は避けられそうだ。
子供、妻と一緒にいたときはどうか。ベビーカーを押しているときはどうか。どのような隊列を組むことが、全員のけがを最小限に抑えられるか。
常に考えるというのは難しいけれど、(望ましいことではないが)このような事件のたびに再度考える訓練を続けるしか、安全の確率を高めることはできないのだろうと思います。

昨今の自動車による事件報道を受け、すべての自動車は凶器になり得て、予想外の動きをするのだというマインドで歩道・横断歩道を歩く習慣は身につきました。自分と自分の家族の身は、自分で守るしかありません。まずは意識、現実味のあるシミュレーションです。

Kindle Fire 7 読み上げからスマートフォンで本を聴き、重要箇所をEvernoteに読書録するまで

勝間和代さんのこの記事にほぼ沿った形で、Kindleの読み上げ結果を音声で聞いて本を読んでいます。
Kindleの読み上げをICレコーダーを使って1度MP3化すると、劇的に使い勝手が良くなることが分かりました - 勝間和代が徹底的にマニアックな話をアップするブログ

ただ、自分の持っているICレコーダーは音声同時記録機能がなかったので一工夫したことと、スマートフォンの音声再生ソフトウェアにオススメがありますので、ここで紹介します。また、読みっぱなしは良くない。反芻して記録するという作業をとると、得た知識が自分のものになるというのが私の経験です。

  • Kindle Fire 7 が Kindle 本を読み上げさせる
  • その音声を何らかの IC レコーダに低音質録音させる
    • 音声入力と録音を同期させる機能がなくてもOK
  • ICレコーダーのファイルを Mac へ読み込みさせる
    • 大抵のICレコーダーには、USB接続でのファイル転送機能が付いているはず
  • 無料の音声ファイルエディタで読み上げ終了後の空白を削除し、mp3 形式で
    • 音声ファイルエディタは、たとえばAudacy
  • MP3タグエディターでタグを編集
  • スマートフォンWiFiあるいはUSB接続なのでファイルを転送
  • スマートフォン上で、長い音源の再生に適した audipo というソフトで音声を再生
  • 読書録に残すところは Kindle で表示して蛍光ペン
  • 蛍光ペン箇所を読み返し、重要箇所をEvernoteに記録する (読書録完成)
  • Kindle Fire での読み上げ
  • ICレコーダへの低音質録音
  • Mac / PC に移動して無音部分カット、タグ編集
  • MP3タグエディタでタグ編集:タイトル、著者、カテゴリ
  • スマートフォンWiFiあるいはUSB接続なのでファイルを転送
  • スマートフォン上での長い音源の再生には audipo
  • 読書録に残すところは Kindle で表示して蛍光ペン、その中でも重要なのは Evernote

Kindle Fire での読み上げ

f:id:covacova:20190526070638j:plain
Kindle fire 7 - TASCAM DR-05
ここは何も追加することはありません。
下記記事で紹介した通り、電源接続時はスリープ機能をオフにする設定をして、電源に接続しておきましょう。
covacova.hatenablog.com

ICレコーダへの低音質録音

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『本をつくる』鳥海修ほか:書体、フォントづくりの工程にのめり込む

本をつくる: 書体設計、活版印刷、手製本  職人が手でつくる谷川俊太郎詩集

本をつくる: 書体設計、活版印刷、手製本  職人が手でつくる谷川俊太郎詩集

手に取って開くと、フォントづくりの工程の写真や途中の字体が大きく印刷されていて、これは面白そうだと購入しました。そのあと分かったのは、著者(というよりインタビューを受けている人)の一人である鳥海修さんは Mac / iOS 標準フォントであるヒラギノの設計士だということ*1。この本に惹かれたのはそういうところだったのかもしれません。

フォントづくりは筆で書くところから始まり、後半はパソコン上で編集するという工程に、ただただ興味深く読み進めていきました。とても面白かったのは、大きく印刷して修正したものを、「小さく見えるルーペ」を使って確認する場面。通常使う大きさで違和感がないかというのが重要なフォント・書体ならではの確認手順だと妙に感心してしまいました。

後半は活版印刷と本作り。手元に、つくられた本があったのならば、「なるほどこの部分はそういうこだわりがあるのか」と興味深く読めたのかもしれないが、あいにく何もない上に本文中の写真の情報量が少なかったため、前半とはちがって大きく飛ばし読みしました。紙の本は電子書籍よりも好きなのですが、本は物体として大切にするよりもその中身をいかにしゃぶり尽くすかを大事にしていて、蛍光ペンを大雑把に引いたり書き込んだりする自分とは少し趣向が違ったのだろうと思います。

ただ、製本は興味があります。お金と気持ちの余裕が出来たときに、『私たちの文字』買うかもしれません。
misuzudo.shop13.makeshop.jp

前半だけでも買ってよかったと思える本でした。なお、これは電子書籍ではうまく読めないと思います(この記事作成時点 2019/5/26 では Kindle 版は出ていない)。作られた書体「朝霞」の初期と最終版を見比べるためにページを何度もめくり直しますし、見開きのページもあります。

*1:経営する字游工房Windows 10 標準の游ゴシックも手がけている。あのフォントは私は好きではないので、もしかしたら Windows 10 の使い方・組み込み方が下手なだけなのかもしれない。